Meintenance Of Jeans

from 1920 to 1929
ビンテージジーンズを置いてあるショップに行くと、キューピーのような愛らしい顔をしたジーンズスタイルの人形を目にすることがある。ヴィンテージアイテムとしてマニアの間では高く評価されるバディ・リー・ドールだ。バディ・リーは、販売促進用のツールとして1922年に誕生し、名前は前年のサタディイブニングポスト誌に掲載された雑誌広告により決められている。
バディ・リーは、オーバーオールやダンガリーズ、そして1924年に開発されるカウボーイパンツなどのコスチュームでスタイリングし、リーを扱うショップに置かれ第2のセールスマンとして活躍した。リーが商品開発のみならず、マーケティング活動にも長けていたという歴史の生き証人とも言える人形でもある。
バディ・リー誕生の2年前、リーはロコジャケットの名前で知られるカバーオール・ジャケットを発表している。このジャケットは、鉄道労働者向けに開発されたもので、3ボタンにより袖口のフィットを調整可能にしたカフス、スランテッドポケットと呼ばれたポケット口が斜めの機能ポケット、着やすさを重視したゆったりとしたアームホールなどを装備していた。
これは、開発の過程で、実際にレイルロードワーカーズが着用して働きながらテストを重ねた結果でもある。1924年開発のカウボーイパンツでも、同様の開発スタンスが取られ、実際にカウボーイに着用させ、意見を集めて作られている。アメリカ3大ブランドへと飛躍するベースには、やはり真摯なプロダクトスピリッツがあったのだ。
リーバイス(R)は、リベットによるジーンズの強度補強をスタートとして、バックヨーク、ウォッチポケット、ふたつのバックポケットなど、ブランドの歴史と共に5ポケットジーンズを進化させて来た。そして、1922年にはベルトループがいよいよ付けられることになる。往時のボトムスのウエスト調節は、サスペンダーで行なわれていたのが普通で、したがって1922年以前の501(R)のウエストにも、サスペンダーを留めるためのボタンが付けられていただけだったのだ。
ベルトループは、よりフィット感を高めるための改良だったが、サスペンダーの普及状態も考え、どちらでも対応できるようにサスペンダーボタンは残されていた。リーバイス(R)の革新性とは、消費者不在の革新性ではなく、いつの時代もはく人のニーズを踏まえた上で行なわれていたのだ。
これは、目に見えるディテールの進化だけではなく、クオリティの向上という目に見えないところでも日夜、行なわれていた。当時の工場長を務めたミルトン・グランボームは流れ作業を基本として工場のラインを整え、さらにステッチの頑丈さも強化している。綿糸の3倍もの強度のある亜麻糸を使用しても、当時は縫い目の剥がれるものがあり、その問題には靴を縫う太い糸をジーンズ用にして縫製し対処した。ミルトン・グランボームは、これ以外にも縁の鋭利なリベットによる生地の破損問題など、諸問題のすべてに対して真摯な姿勢で取り組み、解決していったのだ。
これは、リーバイス(R)の501(R)が、現在も永遠定番として受け継がれている理由のひとつであるとも言えるだろう。
   
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