Meintenance Of Jeans

from 1920 to 1929
リーの拠点となるカンサス周辺には多くのカウボーイが働いていた。彼らは、ワークウエアをプロダクトコンセプトとしたリーの愛用者でもあった。往時、彼等はダンガリーズと呼ばれるトリプルステッチで補強したワークパンツをはいていたといわれる。しかし、ダンガリーズは頑丈であっても馬上での作業には適してはいなかった。
そこで、リーは馬上での作業に適したパンツを試行錯誤の上、開発。これが1924年誕生のカウボーイ・パンツのファーストモデルだ。この1924年モデルはリー社の社史に残るだけで、現物は確認されていないが、後年のモデルを見るかぎり、ダンガリーズの面影を残したトリプルステッチを採用していたと思われる。
また、ヒップポケットの両端を金属リベットではなく頑強なX字型縫製、通称スレッドリベットが採用されたという記録も残されている。スレッドリベットは、カウボーイが命の次に大切にしたサドルを、金属リベットが傷つけるというデメリットを解消させるために誕生している。これは革新的であると同時に、ワークウエアの伝統を継承したものであったのだ。
同年にはきこりをターゲットにしたロガージーンズも開発されている。1921年の鉄道員向けロコジャケットを初めとした、これら史実から、当時のリーが、セグメントされたプロのワーカーたちへのプロフェッショナルなアイテム提供に活発だったことを伺い知ることができる。
素材面でもさらに頑強さが追求されており、翌1925年にはタイトに撚った糸を使用したジェルトデニムを開発採用している。この生地はワークウエア全般に使用され、実際は11.5オンスでありながら、13オンス級の強さがあったという。
時は1926年、ジーンズ史に金字塔を打ち立てるエポックな出来事が起こった。それまでボタンフライオンリーだったジーンズに、ジッパーが採用されたのだ。ブランドはリー。後のジッパーフライジーンズの名品、リー・カウボーイ101Z誕生のルーツもここにある。同年は、オーバーオールへのスライド式留め金具採用、あらゆる体型にフィットさせるテーラードサイズの考え方の導入、そしてカウボーイパンツにはサドルに跨がりやすいU型シェイプサドルクロッチのパターンを使用するなど企画開発もあり、充実した進化の過程を歩んでいる。
翌1927年には、そのノウハウを活かした画期的なワークウエアが誕生する。フロントをジッパーで簡易に開閉できるオールインワン、ウイジットがそれだ。当時、オールインワンは通常の衣類の上に着用されることも多く、着脱のスムースさはオールインワンを愛用するワーカーたちのリクエストでもあったのだ。
また、1928年にはカルエット・ピーボディ社のサンフォード・カルエットが、生地の縮みを1%以下に加工する画期的なシステムを開発している。これは、現在のデニムが作られる際に一般的に行なわれる防縮加工の原点でもある。当初はカルエット・ピーボディ社がリリースするアロウシャツに採用されるのみだったが、評判を聞き付け全米のコットン素材ウエア製造社からのリクエストが相次ぎ、デニムをメイン素材とするワークウエアメーカーも例外なくこのムーブメントを歓迎したのだ。
リーもこれにならい、1929年にはサンフォライズドデニムを使用したジッパー付きワークジャケット91Bをリリースしている。
 
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