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1990年代初頭、ジーンズは5ポケットスタイルという限られたデザインの中で、その可能性をさらに広げていった。
その最たるものが、'80年代から続いた日本におけるシルエットバリエーションのさらなる充実だった。
これまでの、ストレート、スリム、フレアーという シルエット概念のさらなる追求は、
同じストレートでも、太さに種類が設けられることにより、様々な体型の人に対応していったのだ。
アメリカにおいても、フィットのバリエーションにより、同様の開発訴求が普及していった。 これらシルエット、またはフィットの拡大開発は、とりもなおさず、はきやすさの追求でもあり、 シルエットの細分化は、はきやすい素材の開発へと進化していく。 まず1992年にボブソンがレーヨンとデニムと融合させた「04ジーンズ」を発表。 素材の革新性に加え、それまで、硬くてゴワゴワする、重い、などの理由でジーンズを敬遠していた層にまで ジーンズの魅力を訴求するという重要な役割も果たした。 この根底には、常にユーザーを考えるプロダクトスピリッツが、あったといえるだろう。 ビッグジョンは1993年にソフト体感シリーズ「レフトハンドデニム」をリリース。 これは、デニムという素材にこだわる、老舗ブランド、ビッグジョンならではのアプローチにより実現したものだ。 ソフトなはき心地を楽しめる左綾デニムを新たに開発し、さらに加工や乾燥工程にこだわりを注ぎ、 新たなるベーシックの方向性を打ちだした。 これら、シルエットの拡大による体型対応、素材開発によるはきやすさの追求は、 ジーンズをより日常的に根付かせるという役割を果たし、 今日の「日常着と してのジーンズ」の確たる基盤を作り、 その後のムーブメントとして巻き起こる「ヴィンテージジーンズ」の魅力再発見、 さらには、現在のファッション的なアプローチのジーンズによるトレンド表現を可能にした基礎づくりであったともいえるだろう。 |
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1990年代初頭は、「日常着としてのジーンズ」の普及ムーブメントと同時に、
ワークウエアとしてはかれていた年代物ジーンズの価値が再認識された時代でもある。 それは、ジーンズの製造ノウハウの進化と共に排除された、はきやすさとは一線を画した 「味わい」「希少性」がマーケットの心を捕らえ、耳付きデニムが、 その象徴となり年代を特定したレプリカモデルが人気を呼んだ。 1992年に始動したリーバイス(R)の「ビッグE」プロダクトは、 古着嗜好のマーケットカテゴリーの境界線を越えて、広くヴィンテージジーンズの魅力を知らしめる旗頭となった。 復刻ジーンズがブームとなった理由のひとつとして、古着やデッドストックのヴィンテージ・ジーンズの価格高騰という側面もあった。 そして、作り手が、その手の届かなくなったヴィンテージをはきたいがために、 自分たちの手により再現したというハートフルでアーティスティック、 そして職人的なプロダクト理念がブームを支えもしたのだ。 このムーブメントは、糸からリベットの素材まで忠実に再現していくパーフェクトレプリカ、 そしてその技法をベースに独自のエッセンスを注ぎ込んだオリジナルとして昇華していくという動きが見られた。 シュガーケーンがその代表とも言えるブランドで、パーフェクトレプリカからオリジナルのセルビッジジーンズの系譜を踏み、 2001年にはブランド名の由来となる「さとうきび素材」とデニムを融合させたモデルを発表し、さらに進化を踏み現在に至っている。 もう一方で、セルビッジデニムを使用しながらも、全くのオリジナル発想で生みだされたジーンズも登場する。 エドウインは「ニューヴィンテージ」という絶妙なネーミングにより、 「505」シリーズを1994年に発表。このシリーズは、シルエットバリエーションを擁し、 ヴィンテージデニムの味わいと日常着としてのジーンズのはきやすさを融合したところがエポックとなりヒットを記録。 現在もその系譜を更新しつづけている。 これらの動きは、20世紀のジーンズの総決算としてルーツを知るまたとないチャンスであったと共に、 古さと新しさの融合という新たなプロダクト理念を生みだしたといえるのではないだろうか。 |
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